人生の溜息

誰にだって溜息をつきたくなる時はあるもんだ。俺は毎日だ。

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もうあかん

 自分で我慢できなかった。
 序章の参がまだ完成してなかったのですが、いいかげん前回から間が空きすぎているので、とりあえず前半部分だけを公開します。
 5月いっぱいまで粘ってみても筆が進まなかった……さすがにちょっと自己嫌悪。

 その他に、壱と弐を多少改訂しました。
 と言っても内容は変わってません。行間を整頓して、文を少し訂正しただけです。
 気にするほどのことではない、と思います。
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愚痴日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |

序章――参(半分)

 険悪の一言では済まされない雰囲気だった。
 互いに憎悪を抱き、きっかけがあれば殺し合いでも始めかねない空気に気圧されたのか、気付いたところで誰も彼らに近付こうとしない。

 自分がそんな空気を撒き散らしている自覚もなく、悠人は相手の胸倉を掴み上げた。

「言いたいことがあるならはっきり言え」
「おい、よせ悠人っ」

 光陰の静止の言葉も今の悠人には届かない。

 相手の名は秋月瞬。
 この地方の名門である秋月家に生まれ、文武両道をその身で体現する少年だ。
 しかし人気は皆無。とにかく自分の気持ちばかり優先させたがる行動により、周囲の人間からは精神的にかなりの距離を置かれている。
 かと言って積極的に排斥する者はいない。名家の嫡男への対応を間違えたりしたらどうなるか分かったものではない。教師達も学園への影響を恐れているのか、瞬に対してだけは強く出られない。
 いけ好かないけど手が出せない――それが周囲の評価である。

 そんな瞬が唯一拘るのが、悠人の義妹、佳織だ。
 誰も信用しない瞬が。佳織にだけは異常なほど優しい。それが悠人にとって不気味だった。
 不気味で、不可解で、不愉快。不の三拍子が揃った存在である瞬を、悠人は激しく嫌っていた。
 同時に瞬もまた悠人を嫌っている。佳織の側に自分ではない誰かがいる。瞬にとってそれだけで憎むには十分すぎる理由だった。

 ――それが意図的に作られた関係であることを本人達が知る由はない。

「触るな」
「触るなじゃねえんだよ。何が気に入らないか説明しろよ」

 胸倉を掴む手を瞬の喉へ押し付ける。瞬の顔が一瞬苦痛で歪むのを見た悠人は、さらに腕に力を込めた。

 保健室で目覚め、迎えに来た光陰と今日子の三人で教室に戻ったところを偶然出くわした瞬が、悠人の顔を見た途端舌打ちして通り抜ける際に肩をぶつけてきたのが騒動の発端だ。それだけで頭に来た悠人は衝動に任せて正面から瞬にぶつかったのだ。
 基本的に温厚な性格の悠人からは考えられない行動である。

(俺が一体何をした! 何がお前をそうさせる!)

 激情に駆られた悠人はますます強く腕を押し付け――瞬がニヤリと笑ったことに気付いた。
 突然、自分の脇腹に何かが食い込む。その凄まじい衝撃に悠人は声も出せず手を放し、その場に倒れた。腹部で荒れ狂う衝撃が邪魔をして呼吸もできない。

「悠っ!」

 倒れた悠人に今日子が駆け寄る。

「はっ、何やってるんだよ。だから触るなって言ったろ?」
「か……ぁはっ……」

 のたうつ悠人を、ニヤニヤと笑いながら瞬は見下す。冷たい廊下のタイル上でもがく悠人は呼吸を取り戻そうとするだけで精一杯で、何もできない。

「野蛮なことをするのは勝手だけど、かっこ悪いぜ悠人」
「随分とえげつない真似するじゃないか、秋月」

 二人を守るように前へ出た光陰が口を開く。

「仕方ないだろう。先に手を出してきたのはそっちなんだからな」
「だからと言って、携帯握って腹を殴るなんて感心しないな。下手すりゃ命に関わるぞ」
「はっ……よく見てたな。仕方なかったって言っただろ。正当防衛だよ」
「そうは言っても、過剰防衛は逮捕ものだぞ。きちんと加減しないと面倒なことになるからお互いに気を付けような」
「いや、加減とか言う前にそもそも喧嘩するなって匠?」
「はーい、匠さんですよー」

 いつの間に現れたのか、光陰の隣で喋り出した匠に場の全員が驚く。
 しかも無駄に爽やかである。平時はやる気のなさそうな仏頂面が、盆と正月に加えてクリスマスまでいっぺんに来たかのようなにこやか笑顔であり、やたらご機嫌だ。
 会話への加わり方がさり気なさ過ぎて彼の登場をうっかり流してしまいそうだったが、光陰は確かめずにはいられなかった。

「お前、今までどこ行ってたんだよ?」
「クソしに便所」

 気絶した悠人の側を離れた理由を聞く光陰に、匠は実に短く簡潔に答えた。
 微妙な顔になる光陰を他所に、匠と【悔恨】は現状把握に努める。

(こいつ見覚えあるんだけど誰だっけ?)
【秋月瞬。悠人や今日子とは別の意味で有名人だよ】
(あー、あのボンボンね……なるほど、こいつが高嶺と対の契約者か)
【だね。【鷹目】君のおかげで、今なら私にも分かるよ】

 学校に戻る際に、風で感じ取れる間合いに入った時から悠人を監視していた匠は、瞬と会って激昂した様子も殴られて倒れたことも見えていたので知っている。なので学校に到着してすぐ彼らの元へ来ることができた。
 それだけでなく、悠人と同じように風を通じてマナの気配を感じ取ることで瞬もまた別世界との繋がりがあることを知る。しかも悠人に共鳴しているような、非常によく似た波動を感じられた。

【見たところ、憎しみの増幅だね。あ~あ、二人に挟まれたマナが怯えちゃってる】
(なーる。やつらの好きそうなやり方だ……)

 憎しみ。それがもたらす怒り。人を傷つけるにはもってこいの感情を、意志のあるものは当たり前のように持っている。それを異常増幅させて契約者同士で争うように仕向ける方法は、数多くの神剣が好んで用いる運命操作のひとつだ。
 何故か――都合がいいからだ。
 互いを傷付け合うのに最高の感情が最初からあるのだ。わざわざ新しい何かを植え付けなくても、元々あるものを後押ししてやる方が簡単なのは明白である。

(ったく、これだから躾のなってない剣は……)

 匠としては反吐の出る思いだが、今のところそれは置いておく。
 現状は芳しくない。匠の返事を聞いた光陰は頬をやや引き攣らせ、今日子は露骨に顔をしかめている。瞬は胡乱な目つきを向けており、悠人に至っては這いつくばったままで匠の登場に気付いてもいないだろう。
 四人が立っていた舞台に、部外者が唐突にしゃしゃり出てきたようなものだ。観客がいたらブーイングが飛ぶかもしれない。気にもならないが。
 かと言って、舞台に上がっておきながら何もしないわけにはいかない。ここで匠がするべきことは、

「しっかしまあ、ひどいことするねえ」

 悠人の味方だ。

「何だお前は?」
「そこに倒れてるやつのクラスメイトさ」
「目障りだ、消えろ」
「気持ちいいくらいに断言するね。人のダチに手ぇ出しておいてそりゃないだろ」
「……何?」

 匠を見る瞬の目つきが、路傍の石を見やるような素っ気無いものから敵意を帯びた険しい視線に変わる。

「ついさっき友達になったばかりなんだが、なったからにはキチンと友人として接しようかと思うんだ」
「お前も疫病神に与する偽善者の同類というわけか」
「ちなみに名前は榎本匠だ、よろしくね~」
「ちっ、カスが……好きなように吠えていろ」

【あ、言っちゃった】

「おおそうか、なら好きなように吠えさせてもらうとするよ。前々から思ってたんだけどさ、お前の髪の毛って真っ白だよな。その歳で脱色するくらいストレス溜まっちゃってんの? 適度に発散しないと次は胃とか内臓が参っちゃうから気ぃ付けな。目も赤くなって充血しちゃってるし、化粧や目薬で誤魔化せるものにも限度があるからちゃんと睡眠取りなよ」

 匠以外には聞こえなかったが、【悔恨】の呟きに被るタイミングで匠はすらすらと淀みなく語り出す。
 へらへらした笑みと相まって、どう考えても挑発にしか聞こえなかった。

「貴様……僕に喧嘩を売っているのか?」
「いやいやそんな滅相もございません。ワタクシといたしましては秋月家のお坊ちゃまの健康を配慮した上での発言でありますのでどうか平にご容赦を」

 売ってるよ。むしろ吹っかけてるよ。
 ニコニコと人のよさそうな笑顔で続ける匠を睨む瞬の視線が険しさを増し――

「……てめぇ…」

 その背後で立ち上がった悠人を見て一瞬驚いた顔をした。あっさりと匠に興味を無くし、すぐに余裕の表情で声をかける。

「おや、大丈夫かい悠人。だいぶ顔色が悪いようだよ?」
「そう言う、てめぇも……顔が引き攣ってるな」
「よしなってば、悠…」
「おっとっと」

 袖を掴む今日子の手を振り払い、間にいた匠を押し退けて悠人は拳を握る。
 しかし、瞬に向かって一歩踏み出したところで、光陰がその腕をしっかりと掴んだ。

「離せよ…光陰!」
「やめろ悠人」

 悠人が腕を動かそうとしてもびくともしない。凄まじい力で止めている。

「ったく、秋月も悠人もその辺にしておけ。学校で殺し合いでもしたいのか?」
「そうだよ。あんたも悠も、顔合わせるといっつもこうなんだから……」

 光陰と今日子の顔を見て、瞬はつまらなさそうに鼻を鳴らした。
 襟元を直し、興味が失せたように立ち去ろうとして、背中を向けたまま口を開いた。

「言いたいことを言ってやるよ、悠人」
「……」
「佳織はお前といたら絶対に幸せになれない。どこかに行った方が彼女のためだ」
「またそれかよ。たまには違うこと言えばどうだ?」
「佳織の面倒は僕が見る。絶対にその方がいいんだ!」
「っは! パパにお小遣いもらって、だろ。くだらないこと言うのも大概にしろ!」
「……話はそれだけだ。いや、後ひとつ」

 そこまで言うと瞬は振り返り、悠人を睨む。
 その視線に込められているのは紛れもない憎しみ。

「……?」
「お前に触られることが、僕にとって最も気に入らないことなんだよ!」
「なんだと!」
「いいか、二度と触るんじゃあない! もし今度、僕に触ったら……本当に殺すぞ!」
「っは、できるもんならやってみろよ!」

 言うだけ言うと、悠人の怒声を気にする素振りも見せず瞬は歩き去る。
 その背中が離れていくにつれて、ようやく場の空気が穏やかなものへと戻っていった。
 悠人の方も、瞬の姿が完全に見えなくなったところでようやく落ち着きを取り戻したようだった。

「……わりぃ」
「相変わらずだな、お前らも」

 小さく笑いつつ光陰は悠人の手を離す。強く掴まれていた部分が赤くなっていた。

「ほんっと、あんたたちは仲悪いわねー。前世の因縁でもあるんじゃない?」
「なんだよそれ。別に俺があいつに何かしたわけじゃない。あいつがいつも……」
「その割には秋月と会うと、いつもお前が喧嘩吹っかけるよな。よっぽど合わないのかね?」
「分からない……けど」

 悠人は考え込むように言葉を切る。

「しかし殺伐ってのはあのことかね。とんでもない空気だったわ」

 そこへ響く、場の空気を無視した匠の声。まさにAKY。

「なんだ、匠は悠人と秋月のぶつかり合いを見るのは初めてか?」
「ああ、岬のハリセンと違って実際に見たのは今日が初めて」
「どうしてそこであたしが引き合いに出されるのよ」
「細かいことは気にするな岬」

 授業の合間の休み時間でも、匠が廊下に出る用事と言えばほとんどがトイレくらいである。
 廊下で起こる悠人と瞬の接触を目撃することはなく、教室で今日子のハリセンを見ることが多いのは当然だ。

 話題を切り替えるように光陰が匠に話し掛ける。

「けどずいぶんと長いトイレだったな」
「ああ。でも保健室を出る前にちゃんと置手紙を残したぞ。ベッドに生徒が寝ていて何も伝言がなかったらサボりと勘違いされるからな」

 匠が保健室を飛び出す直前に残したメモのことだ。
 ちなみに書いてあった内容は『2-3 たかみね きぜつ』だけである。
 決して偽りの情報ではない……のだが、これを見ただけで分かる者は少ないだろう。たしか保健室には生徒の利用記録帳とかなかったのだろうか?
 光陰たちがそんな風に考えていることを察したのか、匠は慌てて付け足す。

「だ、だって仕方ないじゃないか。俺だってあそこまで急に腹が下るとは思わなかったんだ。便意なんて人間にはそう我慢できるもんじゃないし、メモを残せただけいいだろ?」
「……まあ、悠を診てくれたんだし、あんま責めるのも悪いか」
「だな。それで、すっきりしたか?」
「おうよ!」

 光陰の問いに、無駄に元気良く答える匠。そんなに嬉しいか。

「いやー、あそこまで大量に出たのは久しぶりだったよ。よく、腸が健康だとバナナくらいのが二、三本って言われるじゃん。まさか五本分も出てくるとは、俺もびっくりしたさ。今体重計に乗ったら一キロくらい軽くなってるんじゃね? これってば何というダイエッt」
「分かった、分かったから。聞いたのは俺だけどその話はもう止めろ」

 ニコニコと語り出す匠を疲れた気分で止めながら、光陰は内心で驚いていた。
 これほど機嫌の良い匠は見たことがない。少なくとも、便の出が良かった程度でここまで喜ぶとは思えないのだが……

「それはそれとして、災難だったな高嶺」
「ああ……その、悪かったな」
「何が?」
「瞬とのゴタゴタに巻き込んじまって……ごめん」
「別にいいさ。秋月瞬と高嶺悠人の仲の悪さは学園でも有名だ、俺だってそれくらい知ってる。それに――」
「?」

 一度言葉を切る匠だがすぐ続ける。

「俺たちは、いわゆる友達になったんだろ? だったら、困ってる時は手助けしないとな」

 肩をすくめて何でもないように言う匠の姿に、悠人は救われた気分だった。

 この地方における秋月家の影響は大きい。学園の中だけで考えても、瞬に盾突いて平気でいられる者は少ないのだ。
 悠人に影響が出ていないのは佳織が関わっているからであり、関わりのない生徒や教師が立場を危うくしたことも多い。
 そんな相手に真っ向からぶつかる悠人を、匠は抵抗なく友達と呼ぶ。
 それが嬉しかった。





(さて……掴みはこんな感じかね)

 教室に戻りながら三人の様子を見やり、匠は心の中でほくそ笑む。

 悠人を利用すると決めた匠は、とにかく彼に近いポジションを取ることに決めた。それも単純に物理的に近いのではなく、信頼を交えた友人にならなくてはならない。
 悠人にとって近しい人間となることで、彼が主人公である物語の登場人物に加わるのだ。そしてその運命に巻き込まれる形で、彼の『渡り』に乗じて匠もこの世界を出る――それが匠の決めた方針である。

 秋月瞬という存在は、匠にとっては好都合だった。
 明確な『敵』がいれば行動ひとつで己の立場を大きく変えられる。対応次第で自分も敵か味方かはっきりするのだ。利用しない手はない。
 結果、榎本匠は高嶺悠人に味方する人間である、と周囲に認識させることができた。上出来だ。

 そう考えると勉強会とやらも渡りに船だ。
 早急に仲良くなりたい匠としては、とにかく接触する機会を増やすことが肝心となる。なるべく不自然に思われないようにしなければならないが、元々クラスメイトだし、友達ともなれば怪しさはかなり減るだろう。

 決して不可能などではない。
 やるべきことは分かっている。できることも決まっている。
 考え、選択し、その果てに望む結果を得る。
 やるのは、いつもと同じこと。

【匠……それでいいの?】
(いいんだよ。俺にはそれで十分だ)

 打算に満ちた仮初の信頼――匠にとっては、それでも十分すぎる。


果て無き物語 | コメント:2 | トラックバック:0 |

みず

 水の問題は厄介です。
 水漏れとか、水道管破裂とか、水道料金請求とか。
 最後のやつは違うか。
 今日は仕事場でまさかの水漏れがあったので、専門家である業者の方に連絡をとって修理を依頼して早上がりになってしまった。
 自由時間ができたことを喜ぶことにしよう、うん。

 空いた時間を見つけてはDDFFをやっています。
 ジタンが得意キャラだと前に書いたと思いますが、他にティーダ、バッツが好きです。
 トリッキーで軽快に動くティーダが気に入ってます。まあ、ジタンの方が好きだけど。
 色んな効果を持つ技を覚えるバッツも気に入ってます。まあ、ジタンの方が好きだけど。
 というか、ジタンで操作に慣れてしまったためか、空中でしかまともに戦えなくなっている。なので空中で思ったように動けないキャラは私は使えません。他のキャラは、気になったやつは実際に動かして試しましたが、どうも肌に合わなかったので途中で止めました。特に思い入れがあるわけでもないし。
 ジタン、ティーダ、バッツ。この3人が私の持ちキャラということになります。性格も好きです。まあ、ジタンが一番だけど。
愚痴日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |

うらしまきぶん

 新鮮な気持ちでやっていこうと思う。
 うん、言い訳はしません。日記はただサボってただけです。
 もう思い切って5日制限をなくしてしまおう。変に義務感があるとプレッシャーがかかって面倒だと感じてしまう。

 果て無き物語はチビチビ書いてます。勉強会の部分も半分くらい書けました。
 けどどうしよう。相当長く間空いてるし、前半部だけで参として公開しちゃおうかな。
 迷ってる最中です。でも後半で匠にいいこと言わせようとしてるのでそこのところも含めて早く出したい。
 嗚呼、ジレンマ。
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